ならしの動物医療センター

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report 症例報告

肥満細胞腫

2019.02.14

今回は犬の肥満細胞腫について報告します。
肥満細胞腫は、犬の皮膚腫瘍中20%を占めて最も多く、犬の悪性腫瘍の中でも多いものです。
発症の平均年齢は8~9歳ですが、若い犬でも認められることもあります。

ほとんどが皮膚に発生し、まれに口腔や鼻腔および消化器粘膜から発生することがあります。
この腫瘍細胞からヒスタミンやヘパリンと呼ばれるものが分泌され、過剰にその腫瘍を触診すると
肥満細胞の脱顆粒という現象が起こり、局所周辺の紅斑、膨疹が見られることがあり、
これをダリエ徴候と言います。

ひどくなると、他には、胃や十二指腸潰瘍などが起こり、
消化管内出血、嘔吐、食欲不振、腹痛などがみられます。

予後や腫瘍の挙動などは、肥満細胞腫のグレードに大きく影響されます。

このたび、通院されているワンちゃんの皮膚に腫瘤がみつかり、病理検査の結果で肥満細胞腫と診断され、手術で取り除きました。
悪性腫瘍は見た目よりも浸潤しているため、余裕をもって切除することで腫瘍細胞を取りきるよう努めます