ならしの動物医療センター

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report 症例報告

脾臓の腫瘍

2018.07.17

今回の症例は、健康診断(わんにゃんドック)で脾臓に腫瘤が見つかったワンちゃんです。

 

健康診断の際の超音波検査で、脾臓に2.5cm程の腫瘤が見つかりました。

超音波で脾臓を確認しながら、FNA(穿刺吸引細胞診)を行ったところ、良性病変との結果でした。

定期的に超音波検査を行い、経過観察しておりましたが、だんだんと大きくなってきました。

脾臓が腫れたり、膨らむ所見がある場合、良性でも悪性でも破裂して大量出血してしまう可能性があるため、今回脾臓摘出の手術を行いました。

 

 

 

脾臓を腹腔内から出したところです。

 

 

 

 

 

脾臓は血液成分が貯蔵されている臓器です。

たくさんの血管が胃などに繋がっています。

それらの血管をシーリングシステムを使い、縫合糸を使う事なく短時間で切り離します。

 

 

 

 

 

無事、脾臓を摘出できました。

 

 

 

 

摘出した脾臓は病理組織学的検査で、『腫瘍性病変ではなく、血腫(体内の一か所に血液がたまってこぶのように腫れあがったもの)』と報告を受けました。

おそらく良性病変である結節性過形成(老齢犬にしばしばみられる非腫瘍性病変)や髄外造血(骨髄以外で造血されること)の脆弱した領域に何らかの原因で出血が起きた病変であるとのことでした。

 

定期的な超音波検査を行うことにより、腫瘤の増大に気付くことができ、大事に至る前に手術を行うことができた症例です。