腎臓病とSDMA
2022.12.20
わんちゃんもねこちゃんも獣医療や生活環境がよくなり、寿命が延びてきていますが、 高齢になって慢性腎臓病も発見される子が増えてきています。 従来は多飲多尿や食欲不振、体重減少などの症状から病気を疑い、 血液検査(BUNやCREA、Pなど)や画像検査、超音波検査、尿検査、尿蛋白検査、血圧測定などを 行って診断していました。 最近獣医療において、腎機能の早期バイオマーカーなる SDMA(対称性ジメチルアルギニン)の測定が可能になりました。 SDMAとはアミノ酸のアルギニンがメチル化されたもので、 蛋白分解の過程で循環血中に放出され、そのほとんどが腎臓より排泄されます。 なので腎臓のろ過能力が落ちてくると数値が上昇しますが、 従来のCREAが腎機能のおよそ75%を喪失して初めて上昇するのに対して、 SDMAは40%の喪失で上昇すると言われています。 よって、より早期に血液検査で異常が見つかるということになります。 当院でも測定することが多くなってきており、早期に腎臓病を発見することが多くなってきました。
獣医師 古田