ならしの動物医療センター

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report 症例報告

膀胱洗浄

2017.12.22


本日の症例は腎臓でおしっこが作られて、体から出て行く過程で
おしっこの中に結石と呼ばれる石ができてしまった症例です。


この石のせいで膀胱が炎症を起こして、膀胱炎になってしまっていました。

 尿結石ができる原因は不明な点が多いですが、感染症による炎症や、
水を飲む量が少なかったり、ミネラルを多く含む食事などが原因と言われています。


この結石が膀胱や尿道の粘膜を刺激することで、頻尿になったり、血尿が出たり、
尿をする時に強く痛がるなどの症状が見られます。


また、恐ろしいのは結石が尿の通り道をふさいでしまうことです。
それは尿路閉塞と呼ばれ尿が少なくなったり、尿が全く出なくなってしまいます。

排泄されなくなった尿は膀胱や腎臓に溜まり、腎臓に大きな障害を起こし、
場合によっては腎不全で亡くなってしまうこともあります。

治療は結石の種類によって異なりますが、膀胱炎に対する抗生剤や、結石を溶かすフードなどを用います。


今回の症例はなかなか膀胱炎が治らず、小さな結石が膀胱に溜まっていたので膀胱洗浄を行いました。
尿道にカテーテルを入れ、生理食塩水を入れたり出したりして膀胱を洗います 。



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洗った後の液体に結石と思われるものが見つかりました。
少しは取り除けたでしょうか。
早く良くなるといいですね。