ならしの動物医療センター

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report 症例報告

膿胸

2020.05.29

本日は膿胸の15歳の猫ちゃんです。

外出し、ケンカをした後から調子が悪く、呼吸が荒いということで来院されました。

レントゲン検査を行ったところ胸腔内に液体(=胸水)を認めたため、胸腔穿刺により胸水を採取しました。

胸水を抜去することで呼吸が楽になる上、胸水の性状を検査することで診断を絞り込みます。

 

 

 

 

上の画像で胸の中に白く映る部分があり、液体がたまっています。

 

 

 

 

 

 

 

液体は細菌を含む膿でした。診断は膿胸(細菌性化膿性胸膜炎)です。

抗生物質の投与と酸素室での安静により細菌を減らし、炎症を取ります。

猫の膿胸は原因不明の場合もありますが、胸部の外傷(ひっかき傷や咬傷)からが多いとも考えられています。

猫ちゃんは呼吸が本当に苦しそうになった時点ですでに重症化している場合が多いため、呼吸に異常を感じた場合は早めに診察を受けることをおすすめします。

 

獣医師 古田