ならしの動物医療センター

ならしの動物医療センター

report 症例報告

難治性角膜上皮びらん

2017.12.22

本日の症例は目を痛がるわんちゃんです。
目の傷を見る検査などを行って難治性角膜上皮びらんという病気であることがわかりました。
難治性角膜上皮びらんとは別名ボクサー潰瘍とも呼ばれ、
目の一番外側の角膜と呼ばれる膜がはがれやすくなってしまう病気です。
これになると目をしゅぱしゅばさせたり、炎症を起こして充血したり、涙を流したりします。

治療は角膜の格子状切開術という外科手術を行います。

この手術は角膜に格子状(いわゆる井の字)に切れ込みを入れることで、
けがをした時にかさぶたができるように、はがれやすくなった膜をくっつけてあげる手術です。
手術中の写真です。
点眼麻酔という目につける麻酔を使うので、全く痛がらず安全に手術を終えられました。

DSC_0142

これは手術後の目の写真です。
外側の角膜が井の字に切れ込みが入っているのがわかります。
この切れ込みの厚さは0.1mmと薄く、繊細な技術を要します。

現在この子は傷の修復を助ける目薬を定期的につけてあげています、もう目が痛くならないといいですね。