ならしの動物医療センター

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report 症例報告

顎のできもの

2022.10.24

今回の症例は10歳のダックスです。

顎にできものがあるということでご来院されました。

赤いドーム状の軟性の腫瘤が見られ細胞診検査を行いました。

細胞診検査では針を刺して細胞を採取しその細胞を顕微鏡で確認することで、その腫瘤がどのような細胞からできているかを診断します。

細胞診検査の結果、皮膚組織球種と診断されました。

皮膚組織球種は犬によくみられる良性腫瘍です。ボクサー、ダックスフンド、コッカー・スパニエル、グレート・デン、シェットランド・シープドッグが好発犬種と報告されています。通常孤立性で頭部、耳介、四肢に最も多く発生します。増殖速度は極めて速く、数週間で急速増大し、発症後1~2ヶ月で免疫活性に続発して自然退縮することが多いとされています。

一般的な治療選択肢として外科的切除、凍結手術、内服、外用および無治療での経過観察があげられます。大多数の症例で3カ月以内に自然退縮が見られるため、無治療での経過観察が選択されることが多いです。今回は抗生剤を使用し、小さくなってきているので、経過観察となっていますが、潰瘍化、感染、搔痒などQOLの低下を伴う場合には、外科的切除や凍結手術が適応となります。

尾崎