食道内異物
2021.02.25
本日の症例は、食道内に異物が詰まってしまった症例です。
高齢のワンちゃんで、リンゴのスライスをあげていたところ、呼吸状態が悪くなり、緊急で来院されました。
元々、胃拡張を起こしやすいワンちゃんで、緊急で来院されると、やや舌色が悪く、若干のチアノーゼを認めました。
同時に身体検査で、胃拡張も併発しており、レントゲン検査でも胃拡張、および食道内に異物を確認しました。
検査中にも状態が悪くなっていた為、飼い主様にお話しし、弱く全身麻酔をかけ、麻酔下での内視鏡での食道内異物除去および胃拡張に対し、
明らかな胃捻転は、レントゲン検査では認められなかった為、内視鏡を用いての抜気処置を実施しております。
食道内の異物(りんご)は無事に除去でき、抜気処置も問題なく終了し、覚醒させました。
時間はややかかりましたが、問題なく麻酔から覚醒し、無事退院していきました。
やはり、高齢で寝たきりに近くなってしまったりしたワンちゃんですと、今回の様に食道内に詰まってしまったり、
誤嚥をしてしまったりする危険性がある為、気を付けましょう。
獣医師 田中