ならしの動物医療センター

ならしの動物医療センター

report 症例報告

馬尾症候群

2023.05.26

本日は馬尾症候群という病気の為、主に腰痛が生じ、
高い所へ登らなくなった・時に便秘気味・後ろ足がよろよろする・腰のブラッシングを嫌がるという
内容で来院した猫ちゃんについてです。
馬尾とは脊髄の後方(ヒトの尾てい骨の当たり)の末梢神経の部位の事で、脊髄から出る末梢神経が幾重にも分岐し
馬の尾の様に見えることから「馬尾」という名前がつけられました。

馬尾症候群とは最も後方にある腰椎や仙椎部において椎間板ヘルニア同様、
脊髄の圧迫を生じるため、腰の痛み、後肢の歩様や尾の動かし方の異常、排便・排尿時の痛みによる
排便排尿困難が認められる病気です。
後肢の麻痺や震え、後肢の爪の異様な削れ方が認められることもあります。
 
診断は神経学的検査とその部位のレントゲン撮影や造影レントゲン撮影、CTやMRIで診断します。

 P5240964


Aのところで椎間板が下方より黄色い脊髄を圧迫しています。

実際レントゲン写真
緑色の部分に骨の変形が認められます。

 BlogPaint
babi2
治療は痛み止めやサプリメント・便秘がある子は食餌療法や便を軟らかくする内服薬などを併用します。
上記のような症状が認められる中高齢のネコちゃんは一度診察にいらっしゃっていただくといいかもしれません。

獣医師 古田