高カルシウム血症
2017.12.14
本日の症例報告は、高カルシウム血症についてです。
今回、歯肉の腫瘤が出来たため、麻酔下での生検処置を行う為の術前検査を行いました。 その検査の中の血液検査にて、カルシウムの値が高値を示しました。 一般状態は問題無く、気になる症状は全くなかったのですが、肝酵素の上昇は、 血液の検査で見られました。 高カルシウムの原因として最も多いのは、腫瘍と言われています。 様々な腫瘍が原因で二次的な高カルシウム血症が見られるが、その原因として頻度が高いのが、 リンパ腫や肛門のアポクリン腺癌などになります。 他の原因としては、アジソン病(副腎皮質機能低下症)、上皮小体機能亢進症、腎不全、膵炎、 ビタミンD過剰症などになり、この子は腎臓の値や膵臓の値も問題無かったのですが、 レントゲン検査、腹部超音波検査にて、肝臓に高エコー性領域が確認されました。 今後、CTや生検処置などの精査を行って診断をつけていく予定です。 高カルシウム血症の鑑別疾患は、比較的重症な病気が多いので、注意が必要です。