ならしの動物医療センター

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report 症例報告

黄疸

2024.02.22

本日は黄疸についてです。

黄疸とは、血液中のビリルビン(胆汁色素)という黄色い色素が何らかの原因で血液中に異常に増加し、
その結果、皮膚や粘膜、その他の組織にビリルビンが沈着した状態を意味します。



左が黄疸の子の血漿 右は正常犬の血漿です
(血漿とは血液を遠心分離して固形物を除去した水分の部分)



白目(結膜)が黄色くなる場合も…

黄疸の原因として…
 ①肝炎や肝硬変・肝臓癌などの重度の肝臓の病気がある場合
 ②胆汁の排泄経路である胆管系に異常がある場合(胆管肝炎・胆嚢炎)
 ③血液の中に含まれる赤血球が破壊される(溶血)場合
 ④腫瘍や炎症・物理的要因による胆汁色素の通り道(総胆管)が圧迫され閉塞を起こす場合
(胆嚢粘液嚢腫や胆石・膵炎)
 ⑤レプトスピラなどの一部の寄生虫感染
 など、時には緊急的な外科手術が必要な場合もあり、
精密検査により早めに診断・治療を開始しないと致命傷になる場合も多々あります。

症状としては原因にもよりますが、尿色が濃い・白目や耳が黄色い・嘔吐・下痢
・血便・腹痛・発熱・食欲不振・元気消失などがあります。

 一致する症状がみられたら早急にご来院ください。

獣医師 古田