猫の注射部位肉腫
2018.06.20
この症例は、ネコの注射部位肉腫と呼ばれている腫瘍です。
ネコの注射部位肉腫は皮膚に発生する腫瘍であり、ネコの腫瘍の約10%を占めます。
はっきりとした原因は明らかではありませんが、注射部位の炎症が引き金となり発生すると考えられています。注射部位肉腫は悪性度の高い腫瘍であり、局所浸潤性が強く、病理組織学的に完全切除と診断された場合でも、再発する場合は少なくない。また遠隔転移も0~20%の症例で起こります。
治療としては、できるだけ広範囲の外科切除を行う。腫瘍の取り残しがある事もあるため、術後に根治的放射線治療や抗ガン剤治療を行うこともある。
この症例は、広範囲に外科的切除を行い、取り残しもなく切除できました。
現在、局所再発しないよう、抗ガン剤治療を行いながら、経過観察しております。