甲状腺癌
2018.06.20
イヌにおいて甲状腺腫瘍の多くは甲状腺癌で、中齢から高齢で発症し、好発犬種はボクサーやビーグル、ゴールデンレトリバーとされています。 この症例は、飼い主様が体を触っていたところ、喉の脇にしこりがあるのに気づき、来院されました。他に大きな症状などはありませんでしたが、犬種がビーグルで、しこりがある場所が甲状腺のある場所だったので、しこりを外科的に切除し、組織検査を行うことになりました。
主に、甲状腺癌の場合、物理的な圧迫や周囲への腫瘍の浸潤による呼吸困難や嚥下障害を主訴に来院されることが多いとされています。
治療としては、可動性があり、周囲への浸潤がなく、転移のみられない腫瘍は外科的な切除が第一選択になります。また、手術や麻酔のリスクとなる甲状腺機能の異常や、それにともなう問題は内科的治療でコントロールしておく必要があります。
この症例は、外科的に切除を行い、組織検査で甲状腺濾胞腺癌と診断され、現在経過は良好です。