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診療科
内視鏡科
内視鏡・CTセンター
CTと内視鏡を組み合わせた治療を行う、CT内視鏡センターを完備しています。
これにより多くの病気が治療可能になりました。
これらの治療は高度な設備だけでなく、スタッフの高い技術レベルも必要とされます。
ならしの動物医療センターでは多くの専門医と積極的なセミナー参加により、スタッフの技術レベルを維持しています。
体の周りのさまざまな方向からX線撮影したデータをコンピューターで処理して、輪切りの画像を得る装置です。
マルチスライスCTの特徴
- 頭部、胸部、腹部など全身を撮影することができます。
- 輪切りの画像を16枚同時に撮影できるマルチスライス検出器を搭載し、広い範囲を短い時間で撮影できます。
- 従来のCTに比べ撮影時間を大幅に短縮、患者さんの負担を低減しています。
- 被ばく低減技術を搭載、低線量での撮影が可能です。
- 撮影した輪切りの画像から、任意の角度の断面像や3次元表示画像を作ることができます。
※詳しくは獣医師にご相談ください。
腹腔鏡
腹腔鏡とは3〜10mmの小さな穴からトロッカーという器具をとおしてカメラや器具をお腹の中に挿入し、検査や手術をおこなうものです。
人の手術では一般的に取り入れられており、多くのメリットがあります。
メリット
- 術後の癒着が少ない
- 開腹手術に比べて痛みが少ない
- 術後の活動性は低下しにくい
- 術後の消化器運動の回復が早い
デメリット
- かかるコストが大きい
その他硬性鏡(膀胱鏡、関節鏡、鼻スコープ、耳スコープ)
硬性鏡は内視鏡の種類の1つです。
文字の通り硬く曲がらないつくりになっています。
当院では、腹腔鏡以外に膀胱鏡、関節鏡、鼻スコープ、耳スコープを取り入れています。
整形外科
橈尺骨骨折
今回の症例は、6ヶ月齢のチワワのワンちゃんです。
ソファーから落ちた際に痛がり、右前足の挙上を主訴にご来院されました。
明らかに、前足が違う方向に曲がっているため、骨折と診断し、レントゲン撮影を行い、橈尺骨の骨折と診断しました。骨折の症状は、部位や程度によって異なりますが、もっとも多く見られる症状は局所の痛みや腫れです。
今回は、Advanced Locking Plate System (ALPS) という新しい骨接合法で骨折症例の治療を行っています。
Advanced Locking Plate System
従来型のプレートのように広い面積で骨と接するプレートを用いて固定を行った場合、プレート下の骨はプレートとの接触面において血行が絶たれ壊死し、それがリモデリングされると骨密度が低下します。この骨密度の低下を防ぐために、骨折部局所への血行を温存することの重要性が近年改めて認識されるようになってきております。Advaed Locking Plate System (ALPS)は従来型のプレートシステムの欠点を改良し、より使いやすく、より骨への血行を阻害しないようにというコンセプトで作られております。
- 【Advanced Locking Plate System の特徴】
- 1. 骨への血行障害は最小限である
- 2. 上下左右にベンディング可能でより3次元的な成形が可能
- 3. すべての部位においてプレート強度は均一である
- 4. ロッキングスクリューと圧着型スクリュー(皮質骨スクリュー)の双方が使用できる
- 5. ダイナミックコンプレッション機能
- 6. 生体親和性の高いチタン製
- 7. トイ犬種から馬まで応用できるサイズ展開がある
プレート固定
本日の症例は元気いっぱいのわんちゃんです。
家にお客さんが来て吠えて走り回っているときに急に痛がり、その後から右足をあげるようになったとのことで病院に来院されました。
これは右足のレントゲン画像です。真ん中の太い骨が頸骨と言われるすねの部分です。
縦に黒い線で亀裂が走っており、ひびあるいは骨折していると考えられます。
体重を支える大切な骨なので、プレートと呼ばれる丈夫な金属の板とネジを使って骨をしっかりくっつけて骨を補強しました。
こちらが手術後のレントゲン写真です。
丸い穴の空いているギザギザの物体がプレートです。
プレートは元々直線の金属の棒ですが、特殊な道具を用いて骨に合うように曲げることでその子に合うプレートにします。
レントゲン写真では骨に沿うように綺麗に収まっていました。
翌日は早速足を地面に付けていました、歩いてくれるのが楽しみです。
骨折治療の経過
本日の症例は骨折に対するプレート固定術を行ったわんちゃんで、術後の経過観察を行いました。
そして今回のレントゲン画像です。
前回は骨の間に亀裂がありましたが、今回は亀裂が認められません。
着々と骨が増生されていました、年齢が若いということもあってか骨の再生が早いです。
今回のプレートはチタン製のロッキングプレートですので生体反応が小さいと考えられます。
なので、このまま外さずに様子をみることになりました。
この子は今回キャリーに入って来院されていましたが、リードを付けて歩いて来院される日が待ち遠しいです。
股関節脱臼
本日の症例は、外傷性の股関節脱臼についてです。
家で股関節あたりを踏んでしまい、その後、右後肢の挙上がみられています。
院内で完全に挙上をしており、レントゲン撮影を行っております。
完全に右後肢の股関節が後背方脱臼をしております。
非観血的に整復を行い、ギプスを装着しました。
整復後、大腿骨頭は寛骨臼におさまり、現在様子観察中です。
猫の大腿骨骨折
13歳ネコ、特に心当たりはないが足をひきづっているとの事で来院。
触診で足がブランブランになっていたため、レントゲンを撮影しました。
斜骨折になってしまっています。
ピンやプレートで固定する手術を想定し、CTも撮影しました。
骨の太さや厚み・位置関係をCTで把握することで手術の方法を決定します。
この症例はプレート固定を行うことになりました。
ただ落下や衝撃などの骨折する機会が心当たりがないとの事で、同時に腫瘍や骨粗しょう症などによる病的骨折も検討し、術中に生検処置も同時実施する予定です。
猫の大腿骨骨折の経過です。プレート固定を実施しました。
術後大きな痛みもなく、ギプスで固定していますが、ちゃんと足も着いて歩行しています。
同時に幹部の骨髄生検も行っていて、そちらは結果待ちです。
大腿骨頭切除
本日は一昨日行った大腿骨切除の症例についてです。
右後肢をかばうとの事で来院された8ヶ月のわんちゃん。
レントゲンを取ると右の股関節にあたる大腿骨の骨の先(矢印)が骨折もしくは吸収されて異常な形となっています。このため動くと痛みが出て足をかばうようです。
痛みの原因の除去と原因究明の病理検査のため、異常な部分を除去する手術を行いました。
術前に位置関係と状態の把握の為CTを撮影します。
右の大腿骨の頭が吸収され細くなっています。 よって手術により切除します。
切除後が痛みの原因となる部分が消え去るのでだんだんと歩き方も改善されていきます。
切除した部分を検査センターに出し、若齢犬に好発するレッグカルベペルテス病など虚血性の壊死が無いかを調べます。
レッグペルテス病
本日の症例報告は、レッグペルテス病が疑われる1例です。
8ヶ月齢のトイプードルのワンちゃんです。
この子は、左後肢の挙上の症状から始まり、NSAIDSの痛み止めを使用していたにも関わらず、急激に進行し、 痛みを呈し筋肉量が落ちてきてしまいました。
この疾患は、遺伝的な疾患と考えられており、大腿骨頭への血液供給が障害された結果として無血管性壊死や骨細胞死を発症した状態です。
骨壊死が進行して骨頭部に骨折を発症するか、新生骨形成により関節の整合性が悪化した場合に疼痛を発現します。 経過とともに、患肢の筋肉は萎縮し、慢性的な跛行になり、跛行の程度は、軽度〜重症まで様々です。
左後肢の筋肉量がおちています。
明らかに、重度の症状だったので、今回は御相談の上、骨頭切除を行う事になりました。
切除した骨頭は、現在病理組織検査に出しており、結果待ちです。
神経科
頸部椎間板ヘルニア
症状として、頭を下げると痛みを感じたり体を固めてしまったり、首をすくめてしまうことがあります。
ひどいものになると体が硬直し、前後肢全てが麻痺を起こし、起立不可能になることもあります。
手術には、背側または腹側からの手術法があり、椎体に窓を開け圧を逃がす方法や椎間板物質を取り除くことにより治療します。
CTや脊髄造影法によって病変部を確認後、手術法を決定しますが、この症例は腹側から椎体に窓をあける減圧術を行いました。
Grade5 腰部椎間板ヘルニア
上が術前の脊椎です。下は圧迫を除くために脊椎の一部に窓を開けた画像です。
椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板が脊髄を圧迫し、痛みや麻痺を起してしまう病気です。
この症例はミニチュアダックスで椎間板ヘルニアにより下半身が麻痺してしまった為、手術によって圧迫を取り除きました。
しかし術後麻痺が完全に回復しなかった為、更に脂肪幹細胞の移植を行いました。
この治療により、麻痺の改善や自力での排尿が出来るようになりました。
歯科
根尖膿瘍
本日の症例は、お口が腫れてしまったワンちゃんです。
原因は歯周病でした。歯垢は細菌と食べ物のかすの塊なので、炎症の原因となります。放置しておくと歯ブラシでは除去できない歯石になってしまします。歯肉やその周囲に炎症が及ぶと歯周病と呼ばれます。
このワンちゃんは、症状が更に進行していて歯の根にまで炎症が起こっていました。
CT検査を行ったところ、鼻腔にまで炎症が及んでいました。
歯周病の菌が鼻に感染してしまうと、治らない鼻炎になってしまうため、全身麻酔をかけて、抜歯を行いました。
写真は犬歯を抜いた所です。歯を抜くと上顎まで溶けていました。
口の粘膜を使って、フラップを作りました。
小型犬では、更に進行していくと骨が薄くなって折れてしまうこともあります。
今回は歯を抜いて、歯石の除去なども行いましたが、普段からのデンタルケアで予防する事が一番だと思います。歯みがきだけでなく、歯垢や歯石が付きにくい食事をあげるのも良いと思います。
歯尖膿瘍(根尖膿瘍)
根尖膿瘍とは、歯石内の細菌や外傷が原因で、歯の根元に炎症が起きて膿が溜まってしまう病気です。
別名、歯槽膿瘍、歯根周囲膿瘍とも呼びます。
歯が折れたり摩耗し、露出すると起こりやすいので、牛皮や蹄など硬いものを長年与えていると起こりやすいと言われています。
歯の根元が細菌感染により腐敗し、歯が抜けるまでグラグラしてくることもあります。
・感染した歯が犬歯などであれば、膿は鼻腔に抜けて鼻炎になります。
・上の奥歯に感染すると、眼の下や頬が腫れたり、外側に開通した膿が出たりします。
・下の歯であれば顎の下から膿が出るなどの症状がでます。
通常、治療は症状とレントゲン・CTなどの検査から患歯を特定し抜歯することが多いです。
右は左の上の第三前臼歯(奥歯)が感染し骨が溶け、頬が腫れていた症例のCT画像です。
乳歯遺残
本日は乳歯遺残についてお話します。
犬の歯は人と同じようにまず乳歯が生え成長とともに永久歯に生え変わっていきます。この過程で乳歯が抜け落ちずに残ってしまった状態を乳歯遺残と言います。
通常、犬の歯は乳歯が生後3週齢から生え始め、生後約2ヶ月齢で生えそろいます。その後、永久歯が生後約5か月齢頃から生え始め、約7か月齢で完全に乳歯から永久歯へと生え変わるます。
特に遺残が起こりやすいのは上顎下顎共に犬歯で、乳歯が残った状態のままでいると噛み合わせが悪くなったり、乳歯と永久歯の間に歯垢や歯石が溜まり歯周病の原因となったりします。
大人になっても抜け落ちずに残っている乳歯がありましたら病院で抜歯をお勧めします。
乳歯遺残
当院では日常的に去勢手術・避妊手術など、いわゆる不妊手術を行っていますが、その際に多々見かけるのが乳歯遺残です。
本来、ワンちゃんは早ければ生後4~5ヶ月頃から乳歯が抜け始め、満1歳(平均7ヵ月齢)になる前までには乳歯がすべて抜け、永久歯に生え変わるのが一般的です。
ワンちゃん達は人間のように抜けた歯を敢えて吐きだすということは滅多にしない為、ほとんどが飲み込んでしまいます。時にはケージの隅やウンチの中から発見したり、掃除機をかけてたらカチっと吸い込んで覗いてみたら歯がみつかったなんてこともあるかもしれません。
しかし、中には乳歯が頑固に居座ってしまい、永久歯が横に生えているのにまだ抜けないという事もあります。
この写真は居座っている乳歯と生え始めてきた永久歯です。
乳歯が残っていると、歯並びが悪く永久歯と乳歯が重なってしまい、歯と歯の間に食餌のカスがたまりやすくなります。食べカスがたまると歯石が付きやすくなり、歯肉炎を起こしてしまいます。炎症がひどいと、痛みからご飯を食べなくなったり、歯槽膿漏になって歯が抜けてしまったり、感染を起こして顎の骨や鼻にまで影響が起こることもあります。
「歯並びが悪い」・「歯が重なっている」などが見られましたら一度診察にいらしてください。
くしゃみ
「くしゃみが1ヶ月続いています」
ワンちゃんが来院されました。
鼻炎でしょうか?抗生物質を投与しましたが反応がありません。
CT検査を行うと上顎の牙(犬歯)の周りの骨(歯槽骨)が溶けていました。
歯槽骨だけでなく歯根の一部も溶けていました。
ワンちゃんの犬歯の根っこの先端(歯根尖)の直ぐ上は鼻の穴です。
根尖周囲に炎症があるためくしゃみが止まらなかったのです。
放って置くと犬歯が抜け落ち、歯が抜けた穴で口と鼻の穴が繋がってしまう恐れがあります(口鼻瘻管)。
抜歯をして穴を塞ぐ手術を行いました。
抜歯した犬歯が3枚目です。
再生医療
幹細胞療法って?
動物の体には、さまざまな機関や臓器などに変化する(「分化するといいます」)細胞が存在します。この細胞は幹細胞と呼ばれ、幹細胞療法とは、この細胞を体外で培養し、イヌやネコの体に戻してあげることで、失われた臓器や怪我の再生をうながす治療法です。
幹細胞療法では、イヌやネコからパチンコ玉程度の皮下脂肪の中に含まれる脂肪幹細胞利用します。幹細胞は、骨や軟骨、筋肉や心筋細胞、そして血管を形作る細胞に分化する能力、また細胞自身から生理活性物質が分泌され、身体の様々な細胞や臓器を再生したり活性化したりして、傷ついた細胞や臓器の再生を促します。
どのような病気に効果があるのか?
骨折、骨折癒合不全
幹細胞が骨の周囲にある骨膜や、骨細胞、また栄養を運ぶ血管に分化することで、骨折部位を修復します。
脊髄損傷
幹細胞が血管に分化して、損傷部位の血流を回復させることで、神経細胞の伸長を補助したり、脊髄全体の再形成を補助すると考えられています。
炎症性関節炎
関節部分の骨膜や軟骨部分が傷ついたりすると炎症を起こし、歩行が困難な関節炎になります。幹細胞を投与することで、関節に新たな軟骨や骨膜を形成させ、痛みを和らげたり、炎症を回復させます。
治療の流れ
イヌ、ネコの骨髄液または皮下脂肪を採取し、それぞれ幹細胞を培養します。培養した幹細胞は清潔な環境で培養し、細胞の数を増やします。増やした幹細胞は洗浄し、集めてから幹部への注射や点滴によって体内に戻します。
細胞の安全性について
幹細胞療法に用いる細胞は、隔離された専用の機器など、無菌的で安全な環境下において培養されます。細胞の安全性については、バクテリアや真菌などのコンタミネーション(汚染)がないよう、最新の注意を払っています。
免疫細胞療法って?
動物には病気やけがに対して自分で治そうとする免疫力(白血球のリンパ球)という自然治癒力が備わっており、体内に出来たがん細胞や体の中に侵入した細菌やウィルスを攻撃して死滅させます。細胞免疫療法は、このような生まれつき備わっている免疫力を利用したり、免疫の力を強めたりすることで、がんの発症や進行を抑える治療法です。
がんの治療法には①外科手術、②化学療法(抗ガン剤)、③放射線療法の三大療法が今までの主流を占めてきました。これに次ぐ第4の治療法として、がんの再発を予防し、副作用の苦痛を伴わないで普通の生活が送れるような生活の質(QOL、Quality of Life)の改善を高める治療法として、細胞免疫療法は世界中で研究され、臨床的な効果が得られる治療法になりました。
- 外科手術
- 化学療法
(抗がん剤) - 放射線療法
がんの三大療法と第四の治療法である免疫細胞療法
現在、免疫細胞療法は、4番目のがん治療法として三大療法と併用する事により、さらなる治療効果があることが期待されている治療法の一つなのです。
ガン免疫細胞療法について
特徴
本来は血液に含まれているリンパ球を体外で培養し(およそ1000倍に増やします)、それを再び体内に戻してあげることでがん細胞を攻撃させる療法です。
メリット
小さなガンや全身に広まったガンに対する治癒効果、切除後のガンの再発予防、副作用がほとんどない、QOL(生活の質)の向上が期待されます。
デメリット
大きな腫瘍を小さくすることはできません。投与回数にもよりますが費用が高額になります。
治療の流れ
イヌ、ネコの血液(10~12mlを採血します)からリンパ球を回収し、薬剤を加えてリンパ球の活性化・増殖を行います。その後およそ1000倍に増えたリンパ球を洗浄・回収し点滴で体内に戻します。
細胞の安全性について
幹細胞療法に用いる細胞は、隔離された専用の機器など、無菌的で安全な環境下において培養されます。細胞の安全性については、バクテリアや真菌などのコンタミネーション(汚染)がないよう、最新の注意を払っています。
インフォームド・コンセント
イヌ、ネコの幹細胞療法を受けられるにあたって、その治療方法、ならびに副作用、費用などについて担当の獣医師から詳しく説明させて頂きます。当療法での治療を受けられるかどうかは、獣医師からの詳細な説明を受けたあと、飼い主様が納得されたうえで、お決めください。
東洋医学
鍼灸
本日の症例は椎間板ヘルニアのワンちゃんです。
人間と同じようにワンちゃんでも鍼灸を行います。
西洋医学では治療やコントロールの難しい慢性病や体質改善に役立ちます。
鍼による治療では、全身をめぐる経絡にあるツボに鍼を打つことで気の流れを整え、体質改善を行います。動物は人間のように長い時間じっとしていることが難しいので少ない鍼数で大きい効果を狙えるようにその子に合わせてのオーダーメイド治療を行います。
お灸による治療では、鍼同様、経絡のいくつかにお灸を行い、気の補充と調節を主として行います。
特に腎臓病や手術後、ヘルニアなどの虚弱状態の子に効果があるとされています。
今回の症例はヘルニアの再発を防ぐために、鍼灸の治療を行っています。
低周波パルス治療
低周波鍼通電パルス治療ともいいます。
本来の鍼治療は中医学にそって、全身の経穴(ツボ)に鍼を刺入し機械的刺激によって体の機能回復や体質改善を目的とします。
さらにその鍼に電極をつけ、生体電流に近い低周波の電流をパルス式に通電することで筋肉や神経に電気刺激を与えます。
筋肉の収縮を促す働きがあり、血行改善や麻痺に対してのリハビリに使用します。
当院では椎間板ヘルニアや脊髄梗塞などの麻痺性疾患の症例に対して実施しています。
写真の症例は脊髄梗塞により歩行不可能になったMシュナウザーの症例ですが、鍼治療や低周波パルス治療により現在は回復、まったく違和感のない歩行が可能になりました。
中医学
今日は中医学についてです。
当院には日に何件か、鍼灸や漢方薬など東洋医学による理学療法に通われている患者様がいらっしゃいます。
東洋医学とは中国をはじめとする東洋の国々で発展してきた伝統的な医学のことを「東洋医学」と呼んでいます。 鍼灸・漢方治療は西洋医学では治療やコントロールの難しい慢性病や体質改善に役立ちます。
【鍼灸・漢方の適応症】
ü アレルギー性皮膚炎、免疫疾患、腎臓病、体質異常による疾病
ü 各種関節炎、椎間板ヘルニア、整形外科疾患による疼痛の緩和、麻痺の改善
ü 気・血の不足などによる虚弱体質
ü 薬剤、ステロイド剤、抗生物質などによる薬の副作用の緩和や減量
上記以外にも多くの病気に対して治療の効果があるとされています。
【鍼による治療】
全身をめぐる経絡にあるツボ(経穴)に針をうつことで気の流れを整え、体質改善を行います。動物は人間のように長い時間じっとすることが難しいので少ない鍼数で大きい効果を狙えるようにその子に合わせてのオーダーメイド治療を行います。
【低周波パルス治療】
鍼に電極をつけ低周波の電流を通すことで麻痺した四肢の回復・疼痛緩和効果があります。
【お灸による治療】
鍼同様、経穴のいくつかにお灸を行い、気の補充と調節を主として行います。
特に腎臓病や手術後、ヘルニアなどの虚弱状態の子に効果があるとされています。
【漢方薬による治療】
抗生物質やステロイドなどの化学物質ではなく、例えば人参・生姜などといった生薬を配合した漢方薬により気力の補充や、寒熱の調節を行います。
体質改善という考え方で、中々治らない難治性・再発性の疾患、慢性病などに対して有効な事があります。ご興味ございましたらスタッフまでお申し付け下さい。
時にはこんなに気持ちよさそうなネコちゃんも・・・
放射線治療
放射線治療は、がん(腫瘍)の治療として、外科手術・抗がん剤にならび3大治療とされている重要な治療法の一つです。
腫瘍の残存部分の治療や手術で摘出困難な腫瘍を縮小させるなど、効果的な治療選択が可能となります。
放射線によりがん細胞の増殖を防ぎ、死滅させつつ、正常な細胞をできる限り温存することで治療をしていきますが、放射線障害などのリスクもあり、十分な専門知識を有した獣医師のもとで治療を受ける必要があります。
放射線治療適応かどうかの判断は専門の獣医師でないと判断が困難な場合があります。まず放射線治療が適応かどうかのご相談を、画像診断(CT検査など)を兼ねて診療します。
腫瘍の種類による適否や副作用については、実際の経験からご説明させていただきます。放射線治療適応であった場合、ご希望があれば当院で放射線治療を実施させていただきます。
放射線治療は全身麻酔が必要であり、複数回の処置となるため通院治療が必要です。
詳細はお時間をとって説明させていただきます。
猫 鼻腔内リンパ腫
前頭部の腫脹を主訴に来院。CT検査にて鼻腔内から前頭部にかけて腫瘍が認められ、各種精密検査によりリンパ腫と診断された。
症状の改善と寛解を目的に、抗癌剤と併行して放射線の緩和的照射治療を合計4回実施した。鼻づまりの解消や食欲の改善などの生活の質の向上および症状の改善が認められた。また、数回の照射後は頭部の腫脹と外貌の改善も認められ、寛解が得られた。
下の写真は放射線治療前および最終照射後に撮影したCT写真であり、診断時のCT写真と比較して縮小していることがわかる。
【治療前】
【治療後】
下の写真は、治療前後の外貌の変化である。(治療前が左、治療後が右)
【治療前】
【治療後】