犬の健康管理
仔犬について
ペットは現代人の心を癒し、心を豊かにする存在として多くの人に飼われています。 しかしその一方で心ない一部の無責任な飼い主もおり近隣とのトラブルや迷惑なども多く発生しています。 ペットと飼う人は愛情と責任を持って他人に迷惑をかけない飼い方をすることが大切です。 そのためには動物の生理や本能、習慣をよく知った上で「しつけ」をすることが必要です。 毎年何万匹の犬が飼えなくなったと病院での安楽死、保健所や自治体に引き取られその命を終えています。 私たち飼い主が責任を放棄すれば生きていけない存在なのです。飼う前にもう一度考えてみてください。責任を持って飼えるかどうか…
仔犬を飼う前にチェックしてみよう
- 流行に惑わされず自分の暮らしにあった犬種をえらんでいますか?
- 成犬になった時の大きさを知っていますか?
- 犬種の性格、習性を知っていますか?
- 運動量、毛の手入れの手間は?
犬を飼ってもいい環境ですか?近くに運動できる場所はありますか?テレビ・雑誌などの流行、珍しさで安易に犬種を選んでないですか?必ず犬種の特徴を調べ犬種の良さを知り、自分で責任を持って飼っていけるかじっくり考えてみてください。
仔犬の社会化
3~7週齢 母犬や兄弟犬からコミュニケーションの仕方を学びます。 |
7~8週齢 親離れの時期です。 |
8週齢 この時期に受けた強い恐怖や痛みは生涯影響を受けます。 |
9週齢 トイレの好みや習慣性が確立されます。 |
7~14週齢 外からの刺激を受け入れやすい時期です。 |
トイレのしつけ
しつける前に環境を整えましょう。 まず飼い主さんがトイレの場所を決めてあげてください。
- 落着いて排泄出来る場所ですか?
- トイレとわかりやすい場所ですか?
- 仔犬がすぐ行き易い場所ですか?
- 食器・寝床・トイレの距離は充分にあいていますか?
- トイレの材質は、何か決めましたか?(新聞・ペットシーツなど)
人が出入りする場所やテレビの近く・段差や障害があるところにトイレを置くのは避けましょう。犬は食器や寝床の近くでは、排泄しない習慣をもっているのでトイレの近くには置かないようにしましょう。仔犬は排泄の間隔が短いので、生活リズムや排泄の姿勢を飼い主が理解判断し、トイレの前に連れて行ってあげてください。
留守をする時・目を離す時は、サークルなどに入れて行動範囲を制限してあげましょう。正しい場所でした時は必ず誉めてあげましょう。誉める事で習慣がつきます。ごほうびをあげるのもよいです。根気よく、続けることが大切です。一度成功しても生後6ヶ月ぐらいまでは、また乱れる事もあります。環境の変化でも乱れる事があります。失敗しても何も言わず片付けてください。臭いが残るとまたそこでしてしまうので、しっかりふき取ることが大切です。一方で叱ってしまえば今度は飼い主さんの見てないところでするなど、子犬は排泄すること自体が(いけないこと)と思ってしまいます。失敗するには原因があるはず環境を整え排泄のリズムをつかめば失敗することもなくなるでしょう。もう一度はじめから原因を探ってみましょう。
あまがみじゃれがみに困っていませんか?
あまがみとは、仔犬が成長する際に、周囲のものを口に入れて確かめる正常な発育過程ですが、人の手を噛ませないようにしつける事はとても大切な事です。
なぜ大切かというと?
人の手に決して歯を当ててはいけないと教えていく事によって仔犬はかむ力を調節する事を覚えるからです。あまがみをほっておくと興奮して噛んでくる事があります。
※歯を当てて噛んできたら<だめ、痛い>などの声をだして、子犬の注意をそらしすぐにそのばからはなれましょう。それでもしつこくかんでくる場合、サークル等に入れましょう。
サークルの中にはあらかじめ、お気に入りのオモチャをいくつかいれておき、ひとりになって遊べるようにしておくとよいでしょう。遊びの対象をヒト以外に向けてあまがみをやめさせましょう。
大切なこと
家族全員で教えましょう。
仔犬はしかられてもすぐに忘れてしまうので、何回も繰り返し教えましょう。
仔犬の前で手をオモチャにしてあそぶのはやめましょう。
絶対に体罰で教える事は止めましょう。
体罰によるストレスで臆病になったり逆に攻撃的になることがあります。 押さえつけたり、たたいたりする事により、飼い主の手を怖がるようになり恐怖のため、相手を噛むことも・・
仔犬にオモチャを与えましょう
よいおもちゃ?
- 噛んでも壊れないしっかりしたもの。
- くちのサイズよりも大きなもの。(飲み込まないように)
- わんちゃん専用のもの。
- 音や動きのあるもの。
悪いおもちゃ?
- 噛むと壊れるもの。(例えばぬいぐるみや積み木などを与えているとばらばらにして飲み込んでしまう危険性が有る)
- 小さすぎるもの。
- ひも状のもの。
オモチャの材質には注意しましょう。
仔犬は、いいものと悪いものとの区別がわからないのでヒトが使う日用品<服や靴下>と同じような材質<ぬいぐるみなど>をおもちゃにすると、かみごこちがにているため、ヒトの服・靴下であそぶようになるのでやめましょう。 綱引きは、止めましょう。
タオルやひもで綱引きをして遊ぶと、リードや洋服の袖なども全て綱引き用と勘違いしてしまい、しつけがますます困難になります。 また引っ張り合いをして負けた場合や、最中に手を離してしまったりすると、いぬは、リーダーに勝ったと勘違いしてしまい飼い主よりも、自分が上になってしまいわがままになってしまうことも・・・。
人の手に慣れさそう!
体のどこをさわってもいやがらないように… 犬が嫌がる所は、触らなければいいのかな?
病院に行くと…
体温をお尻ではかります。足から採血をしたり、耳掃除をすることもあります。歯石チェックは、口を開けて見せてもらわないと出来ません。
お家では…
散歩から帰ってきたら足を拭いたり、爪切りや肛門線を絞ったり、歯磨きをしたりと色々なことが必要になってきます。 そんな時、自分の犬が毎回噛み付いてきたら嫌になってしまう。 わんちゃんだって、何かされるたびにドキドキ怖い思いはしたくはないはず!
これから先、あなたのワンチャンがどこにでも触らしてくれる為にはどうしたらいいのでしょうか?
わんちゃんが落ちついている時に少しずつさわりましょう。
さわるときは、やさしくゆっくりと!
色々な所をさわってみましょう。
嫌がったり、噛み付いたりするときは他に興味を持たすために、食べ物やオモチャを使いながらさわってみましょう。 食べ物を使っても嫌がる時は一旦中止してください。
触れるようになったら、足を拭いてみたり、ブラシをかける練習をしてみましょう。
口のまわりをさわれるようになったら口の中をみたり、歯をガーゼなどで拭いてみましょう。
一回5~15分ぐらい、疲れないぐらいの程度で一日数回触れてあげましょう。
室内や散歩でいたずらに困っていませんか?
お部屋の中での”いたずら”に困っていませんか?噛む・引っ張る・散らかすなど、飼い主さんのあとかたずけも大変ですよね。特に好奇心が多い仔犬にとっては、ケガや病気につながる危険な品物もたくさんあります。
糸のついた針。
化粧品のパフ。
カセットやテープ。
など私たちが「まさか」と思うものもワンちゃんたちには退屈しのぎのオモチャになってしまうのです。
“イタズラ”はさせないのではなく、出来ない環境にする事が大切です。
飼い主さんのちょっとした心配りで、かわいいわんちゃんを事故から守ってあげましょう。 いたずらしやすい物や危ないものはすべてワンちゃんの届かない所にかたずけましょう。
それでもいたずらして口にした場合は無理に取り上げないで好物と交換してあげましょう。無理に取り上げると取られると思い飲み込んでしまうおそれがあります。
いたずらしやすい物、危ないものは?
- クッション
- 雑誌
- 化粧品
- 布団
- たばこ
- シャープペン
- マフラー
- 人間用の薬品類
- めがね
- ティッシュ
- メモ帳
- 携帯電話
拾い食い
お散歩に行くようになると色々なものに興味を持ちます。なんでも口にしたがる仔犬の時期は”ひろい食い”には十分注意しましょう。 “拾い食い”はお腹がすいているからするのではないのです。
ですから散歩前には食事を与え満腹にしても余り効果がありません。かえって消化障害を起こすおそれがあるのでやめましょう。 では、わんちゃんが、”拾い食い”をしようとしたときはどうしたらいいか?
予防策
- 草村・ごみ箱付近はお散歩コースからはずす。近寄らないようにしましょう。
- 口輪をつける
※散歩中は興奮や運動量が増すため呼吸が荒くなったり早くなったりするため口輪は、バスケットタイプの物が良いでしょう。 口輪の中でも口が自由に開けられるので呼吸が楽にできます。
マズルタイプは口を押さえているのでくちが開けられず呼吸が苦しくなります。
しつけ方法
- ワンチャンが何かを見つけたら”だめ!”と言って制止し注意をそらせましょう。
- リードを弾き始め落ちている物に近づこうとした時”だめ”と言ってリードを引き戻しましょう。
わんちゃんがあきらめるまで繰り返しましょう。
引き返しが遅れなにかを口にしてしまったときは、無理に取ろうとすると取られたくない一心で急いで飲み込んでしまったり、飼い主に攻撃して拾ったものを守ろうとするので手早くおやつ・オモチャと交換してあげましょう。
ただし命にかかわる物は、必ず取り上げ・与えないで下さい。取れなかった場合は、すぐに動物病院に連絡しましょう。
どんな仔犬もしつけのトレーニングが必要
ごほうびを用意しましょう
ごはん又は好物<オモチャ・おやつ>など
トレーニングに適した時間帯
空腹時 ワンチャンが落ちつき、リラックスしている時
※ 仔犬の集中できる時間は5~10分程度です。子犬がトレーニングに飽きてしまう前に終わりましょう
トレーニングに適さない時
他の物に興味があるとき
体調不良など
号令は統一しましょう
例えば… 「おすわり」を「すわって」「しっと」「すわれ」など違った号令をだされるとわんちゃんは迷います。
他に…
ほめる時は、「よし」「GOOD」「YES」
ほめない時は、「いけない」「だめ」「NO」
トレーニングの心構え
根気よく行いましょう、体罰は絶対にいけません。 なぜなら一時的におとなしくなりますが、徐々に反抗的になり、飼い主嫌いにもなりかねます。 また、結果としてわんちゃんをより興奮させてしまうほうが多いのです。
その他
リードは必ず着けましょう。落ち着きのないワンチャンに効果的です。 トレーニングは出来るだけ飼い主がたったまま行いましょう。